乱暴な使い方をしてズタボロになった剪定はさみをキレイにしたいと思います。
目次
バーゴン&ボールの剪定はさみ
この剪定はさみはBurgon&Ball(バーゴン&ボール)というメーカーのモノです。イギリス製です。なぜこれを買ったのか今となっては思い出せませんが、大方カックイイ!オサレ!とか思ったのでしょう。意識高い系ですね。
(しかし、この選択が後に大変なコトを引き起こすとは、そのとき知る由もなかったのです…)
なぜボロボロになったのか?
元々よく切れるいいハサミですが、刃は極端に汚れ、曲がり、柄のラバーがはがれてしまっています。なぜこうなったのかというと…
延々と木の根を切っていたからです。
↑こういった所の根を土ごとザクザク切りまくっていたので、その都度手入れする気にならなかったのです。どうせ次もドロドロになるし。
枝を切るハサミで根を切るなど言語道断ですが、他にキレるのが無かったのでつい…で、罪滅ぼしじゃないですが、今回磨き直そうと思った次第です。
まず分解
ネジがナメる
まず分解しましょう。
ネジがナメました。いきなりです。なんやねん…
ではネジのアタマにひとたらし、喰い付きを良くするネジ外しです。
でもダメでした…その他色々試しても傷は広がるばかり。
ああもう、これだからイギリスもんは!
なめたネジ外しビットを使う
使ったドライバーは確かにジャストフィットでは無かったかもしれません。が、イギリスのネジ、柔らかすぎです。
そこで「なめたネジはずしビット」を購入。使ってみます。
↓赤が細サイズ、黄色が太サイズ。赤を使います。
↓まずドリルから。インパクトドライバーに装着しましたが、インパクト機能は使っちゃいけないことになっています。
↓正回転(右回転)させて穴を開けます。
↓ビットをひっくり返します。先がネジ状になっていて、これが穴に喰い込んでナメたネジを動かします。グッと突っ込んで押さえつけ、ゆっくり逆回転(左回転)させます。が…
硬くて動きません。仕方なくインパクト!すると、回ってくれました。繰り返しますが、インパクトはダメだとされています。折れるから、かな?
↓抜けました。気持ちイイですね。
↓付属のレンチで固定してネジザウルスではずします。
↓ナメたねじはずし完了。やれやれ、イギリスもんは手がかかりますヨ。
分解する
残りをバラします。もうナメないで下さい。
曲がった刃を直す
刃の先が少し曲がっていたのでハンマーで叩いてまっすぐに。画像は撮り忘れました。
清掃する
「アルス刃物クリーナー」を使います。
刃にこびりついたヤニなどを落としてくれます。
ちょっと値段が高いけど、確かによく落ちます。
汚れを拭き取った後はそのままでいいみたいです。特に油を引いておけとは書かれていません。でも、引いておくのが無難でしょうか。
刃を研ぐ
汚れが落ちたところで刃を研ぎます。でも刃を研いだことなんて無いので、やはりネットを頼ります。gyokuchoさんの動画を参考にさせて頂きました。短いですが分かりやすいです。
↑実際の作業はみきかじや村さんという鍛冶職人販売サイトに出品されているおの義刃物さんが行っておられるようです。この動画をそのままマネしようと思います。
砥石は「キング ホーム砥石 K-45」1000番を使います。中仕上げ用とありますが、これでで十分とのこと。
当初、上刃(ハマグリ刃・切り刃)を柄に付けたまま研ごうと思っていたのですが(作業しやすいらしい)柄が砥石に当たるので外します。
ナメんなよ…
無事でしたw
上刃(ハマグリ刃・切り刃)を研ぐ
改めて上刃を研ぎます。剪定はさみの刃の名称は色々言い方があるようですが、上のgyokuchoさんの動画に合わせます。ところで「上刃」の読み方、分かりませんw
上刃のオモテ面を砥石にペタッと当てて研ぎます。研いでいると裏面に「カエリ」というバリが出てきます。カエリは刃を指で触ると感触でわかります。カエリが出たら刃をひっくり返し、数回研いでカエリを落として完了です。
しかし、研ぎ過ぎるとカエリどころかこんな↓ふうに…
刃が薄く剥がれてしまいましたw より鋭く研げたのだと思っておきます。ちなみに上の画像で砥石に当たっている方が刃の「オモテ面」で、見えている平らな方が「裏面」です。
↓剥がれた残りカス。
錆びないように、とりあえず手元にあった「スーパーラストガード」を吹き付けておきました。問題無いですよね?
カマ刃(受け刃)を研ぐ
カマ刃の方は、オモテ面を丸みのあるダイヤモンドシャープナーで研ぎます。見えてる方がオモテ面↓
↓画像取り忘れにつき後から追加。こんなかんじで上下前後左右にゴシゴシ研ぎます。
裏面にカエリが出てもそのままにしておきます。ハサミを使う内、自然と落ちます。
というのは、カマ刃の裏面は研いではいけないからです。研ぐと歪んで全く切れなくなる恐れがある、とのコト。↓こちらが研いではいけない裏面(追加画像)。
(サビてて恥ずかしい…)
以上で研ぎは終わり。ぜひgyokuchoさんの動画をご覧になってみて下さい。
柄のラバーを直す
乱暴に扱ったので柄のラバーが剥がれてしまいました。
ラバーなしでも問題なく使えますが、ある方がグリップ力が増して握りやすいし、冬場も冷たくないし、付け直すことにします。
「液体ラバーコート」みたいなモノがありますが、結構高いです。1度使うだけなので安いのを探した結果、コレに↓
「ユカタメイク 液体ゴム」レッドです。
↓では早速。一応マスキング。
↓あれ、ピンク?まあええか。
↓うわぁ…
↓重力がグチョグチョの表面をなだらかにしてくれるか…
↓大して変わりませんでした。乾くと赤でした。
↓もしかしてマスキングを剥がすと全部持っていかれるんじゃ…
↓なんとかごまかしました。境目はちょっと浮き上がってます。
表面はでこぼこ、触るとベタベタですが、そのうち落ち着くでしょう。お値段なりの出来栄え。無いよりマシのレベルです。個人的には気にしませんが、おすすめもしません。
組み立て
M4のネジを買う
組み立てる前にナメたネジの代わりをホームセンターで購入。
・M4×8(太さ4mm×長さ8mm)
です。ナメたネジと見比べて同じっぽいのを買いました。しかし…
途中までしか入りません。M3もM5も太さが全く違うのでM4で間違いないと思うのですが……アッ…
インチか…
ああもうこれだから!イギリスもんは!
インチネジを買う
それまで全く気付かなかった私もアホですが、仕方ない、インチネジを探します。で、結論から言いますと、中途半端に諦めましたw なんとなく収まりはしたけれど。
まず、業務用ネジ販売のネジクルさんと、ネジのトミモリさんのインチネジサイズ表です。大変参考にさせて頂きました。
↓ネジクルさん
↓トミモリさん
以下簡単に経緯を記します。
太さ#6(≒3.5mm)× 長さ8mmのネジを買う
ホムセンで買ったミリネジ
・M4(太さ4mm)
より少し細いインチネジ
・#6(太さ約3.5mm)
・長さ8mm
をモノタロウで購入。#6の読み方は「ろくばん」。
インチ表記とメートル表記が混在しててヘンですが、私にとってはわかりやすいです。パソコン用だそうです。
ネジの細かい解説は知識の無い私にはできませんし、できても煩雑なので、以下最低限の情報だけでご勘弁下さい。
↓M4とは違い、ちゃんと入りました。が、なんだかゆるゆる、ぶかぶかです。
↓組み立ててもやっぱりゆるい。締めればゆるんで落ちることは無いと思いますが、ちょっとキモチワルイです。
元のネジと並べてみると…
外径がちょっと細いのがわかります。
素人考えですが、これは「ネジがおかしい」気がします。#6の次は#8(太さ約4.1mm)なので、インチであるなら#6しかあり得ません。それとも私の知らない規格があるでしょうか…?
今現在は買ったネジがおかしいと思っていますが、その時は「ネジ山の間隔が違うのかな?」と思い、別のネジを買ってしまいました。太さ長さは同じでネジ山の数が違う「細目」のネジ、です。
#6×5/16 細目ネジを買う
「細目」といっても外径が細いわけではありません。ネジ山の間隔が細いのです。
・太さ#6(≒3.5mm)
・長さ5/16インチ(≒8mm)
・細目(ネジ山が多い)
というネジを改めてネジクルで購入。
↑ネジ3本でこの包装w
↓ゆるいネジと取り替え。
普通に入りました。六角レンチで増し締めしようとすると…
…穴に入りません…これは…
インチか!
ホントにもうイギリスもんは…
↓仕方ないのでネジザウルスで咥えて増し締め。
↓一応並べてみます。またしても元のネジと形が違います。
↑太さと長さはいいのですが、ネジ山の間隔が違います。でも入っちゃったので…いいのかな?
結局元のナメたネジは…
購入した2つのネジから類推して、
・#6(ろくばん・太さ約3.5mm)
・UNC(ユニファイネジ・1インチあたりのネジの山数32・ピッチ0.79mm・並目)
・長さ 5/16インチ(約8mm)
だと思います。最初に買ったネジが変でなければそれで済んだのに…
種類が判明したところで改めてネジを購入!という気にもなりません。もうメンドクサイw 現状一応収まったので、諦めて?そのままに。替えるのは問題が起きてからにします。
組み立て完了
結局イギリスのせいでいらぬ手間がかかり、こんなに長くなってしまいました。
ハサミはやっぱり国産ですね。例えば上の動画のおの義刃物さんのハサミ、かっこいいです。知ってたら買ったのになあ…参考にさせて頂いたので宣伝しとこう。皆様、剪定はさみを買うならぜひ!日本製!おの義!
でもBurgon&Ball(バーゴン&ボール)も、ちゃんと替え刃替えバネ付けてくれてるし、やっぱりよく切れるし、いいハサミなんですよネ…